休日日記 2026.08.01 [後編]
2026.08.01 | スタッフ雑記
初めて訪れた美術教室は、奈良県大和郡山市にある「第三美術室」。
訪れるきっかけになったのは、natomi宿で開催された一周年イベントだった。
そのときお会いしたのが、元中学校の美術教員をされていた高岡先生。
数ヶ月前にご自身の美術教室を開かれたと伺い、
「いつか行ってみたい」と思っていた場所だった。
というのも、私は以前から絵を基礎から学ぶことに憧れがあった。
私はデザインの専門学校に通っていたのだけれど、
美大とは違い、デッサンや画力を重点的に学ぶ環境ではなかったため、
基礎から絵を学ぶ機会はあまりなかった。
そのため、美術教室という場所にはずっと憧れがあった。
普段イラストを描くときは、写真や「Magic Poser」という
アプリを参考にしながら制作している。
目の前にあるものは描けても、頭の中に浮かんだものを、
そのまま紙の上に描き起こすことはまだ難しい。
だから写真や資料を頼りに、あれこれ試行錯誤しながら形にしている。
頭の中に浮かんだものを、そのままスラスラと描けたら、
どんなに気持ちいいだろう。
そんな理想を思い浮かべながら、美術教室の扉を開いた。

高岡先生は、明るい笑顔で迎えてくださった。
木のぬくもりと白い壁に包まれた教室は、とても落ち着く空間だった。
教室いっぱいに飾られた生徒さんたちの作品を眺めているだけで、
わくわくと緊張が入り混じる。
この日体験したのは、りんごのデッサン。
並んだりんごの中から今日の相棒を選び、いよいよスタート。
先生がお手本を描きながら、一つひとつ丁寧に教えてくださる。
実は私は、鉛筆の持ち方すら分かっていなかった。
初めての持ち方では線が思うように引けず、
下描きの段階から手が震えた。
それでも先生の説明はとても分かりやすく、
形の取り方も少しずつ理解できるようになっていった。
内心は「線が描けない……!」と焦りっぱなしだったけれど、
それも含めて新鮮で楽しかった。
続いて色鉛筆で着色。
色の重ね方や線の塗り方、影のつけ方まで、一つひとつ教えていただいた。
二時間、ただ絵を描き、分からないことを先生に教えていただく。
そんな時間が、あまりにも贅沢だった。
改めて、「絵を描くって楽しいな」と感じた。
もっと描いていたい。
そう思っているうちに、あっという間に二時間が過ぎていた。
先生のお手本と見比べると、まだまだ遠く及ばない。
それでも、不思議と落ち込むことはなく、
「また描きたい」という気持ちのほうがずっと大きかった。

今日教えていただいた鉛筆の持ち方や、線の重ね方、色の重ね方、濃淡のつけ方。
この感覚は、描き続けなければきっとすぐに忘れてしまう。
だからこそ、これからもっと絵を描く時間をつくっていきたい。
帰り道、一番のお土産は作品ではなく、「また描きたい」という気持ちだった。
この貴重な体験をさせてくださった高岡先生、
そしてこのご縁をつないでくださった
natomi宿の奈緒さん、美緒さんに、心から感謝。
文 杉本 月

